2010年4月1日掲載
2010年4月1日更新
「六条修理大夫集」(冷泉家時雨亭叢書第18巻 朝日新聞社 1997年8月)翻刻本文
「六条修理大夫集」は藤原顕季(1055~1123)の私家集である。顕季は末茂流隆経男で、母は白河院乳母従二位親子。白河院の近臣として活躍し、正三位修理大夫に至った。歌人としては歌学家六条藤家の祖である。
「六条修理大夫集」はすべて同一祖本から分かれ出たものであるが、「堀河院百首」の有無によって二類に分けられる。
(1)神宮文庫本系「六条修理大夫集」(375首 私家集大成中古Ⅱの底本)
(2)京都大学付属図書館蔵本「六条修理大夫集」(267首)
冷泉家時雨亭文庫蔵本は、「堀河院百首」を掲載しない類の、京都大学付属図書館蔵本の親本。
《書誌・研究情報》
書名「六条修理大夫集」(外題)
綴方 綴葉装1帖
寸法 縦17.1 cm×横13.9cm
表紙 梅枝紋を茶染押し銀小切箔ちらし
見返し 本文共紙
外題 藤原定家筆「六条修理大夫集」(表紙中央やや左寄りに打付書)
料紙 楮打紙 全6括
第1括(7紙14丁、見返し1丁)第2括(10紙20丁)第3括(11紙22丁、上から2紙目3紙目左半分が落丁)第4括(9紙18丁)第5括(10紙20丁)第6括(10紙20丁、見返し1丁)計109丁、墨付け97丁。
本文 墨付1オから97ウ6行目まで 1面9~11行書
書式 和歌は2行書き、詞書は2字下げ
筆者 藤原定家 外題「六条修理大夫集」、1丁表(「承暦四年殿上哥合」~2丁ウ4行目「郁芳門院根合哥」)
定家側近の人(2丁ウ5行目~97ウ6行目)
本文系統 「堀河院百首」を掲載しない京都大学付属図書館蔵本の親本
集付 金(金葉集)7首(3・11・22・63・148・153・301)
詞(詞花集)1首(305)
新(新古今集)2首(37・288)
続(続後撰集)2首(5・168)
《参考文献》
川上新一郎「六条修理大夫集解題」(『新編国歌大観』第3巻 角川書店 昭和60年5月)
田中登「六条修理大夫集解題」(『冷泉家時雨亭叢書』第18巻 朝日新聞社 1997年8月)